裏六甲17 瑞宝寺谷西尾根から瑞宝寺谷を巡る
気になるルートは行ってみたくなる
以前から地図を見ていて気になるルートがあった。
瑞宝寺谷西尾根
昭文社の地図には名前だけありルートは書かれていない。六甲山系登山詳細図には登山道C級、熟練者向けとしてルート表記がしてあります。裏六甲を順番に歩いていて紅葉谷まで来ると、次は歩かないわけにはいかない。間にある白石谷は氷が張った時期に回すとして、いつ行こうか?と考えていたらポッカりと時間ができた。
早速、歩いてみた。帰りは表六甲には降りずに有馬温泉に戻ることにした。ルートはヤマレコで良く目にする「瑞宝寺谷」を選んだ。この谷筋の道はなかなか良い感じでした。魚屋道を降りるのならこの道を選択するのも変化に富んでおり良いかもです。
有馬温泉駅から瑞宝寺公園へ
2019年12月19日(木)
天候:曇り
日本三大湯の玄関口にしてはモダンすぎるデザインの駅舎だ。
早速、筆屋道を瑞宝寺へまっすぐと歩きたいところだが、少し寄り道を
この岩 袂石(たもといし)と言います。いわれは諸説あるようです。
cultural-experience.blogspot.com
近くに六甲岩めぐりハイキングに登場する仏座巌(ぶつざいわ)もあります。が、猫の餌やり場になっているようで写真は看板だけです。
すぐ横にある泉源は古泉閣泉源。太閤橋だけで名所を3つも見ることができて満足、満足。
ねね橋を渡り、坂を上り瑞宝寺公園へ。紅葉の盛りはもう過ぎてしまい。観光客は誰もいません。
関西屈指の紅葉の名所だったのか!
名残りの紅葉
歴史を感じる
これが秀吉愛用の石の碁盤。冬場は冷たいだろうな。
十三重石塔 江戸時代後期の建築だそうです。黄檗宗の立派なお寺だったと想像しますが、明治時代の廃仏令で滅び去りました。
瑞宝寺公園の奥にハイキングの道標が立っています。
西尾根の取付きまでは筆屋道を進みます。
瑞宝寺谷西尾根を登る
筆屋道を進むと途中に太鼓滝が現れます。これも瑞宝寺公園の一部?
ハイキングメインルートなので道標がしっかりとあります。
これは何だろう?
裏六甲の魅力は自然が残っていること。道を歩くといろんなものが目に留まる。写真に納めて、家に戻り図鑑やWebで調べるのもまた愉し。
今日は西尾根を登り、下りは瑞宝寺谷を降りようと思っている。帰りにまたこの三差路に降り立つはず。
この手製の取付き点標識が目印。この後、急登が待っています。
径は落ち葉に覆われているが、トレースははっきりと分かります。樹にマーカーが沢山付いているので、迷うことはありません。
廃ベンチポイントで見つけたカマキリの卵。
しばらく進むと、この尾根の核心部?のナイフリッジに。
ロープや鎖場とするほどでもなかった。
アカマツの林から、常緑樹へと植生が変わってきた。
足元にはイワカガミ
六甲笹に覆われた分岐点。右に行くと魚屋道に行ける。ここは、左。
濡れた笹ヤブの径に閉口していると、六甲最高峰が右手に見えた。ハイカーの姿も。まっすぐに尾根道を上るルートなので短時間で山頂にたどり着ける。
ここがアスファルト道への出口。逆に下山にこのルートを選ぶと先にマーカーは見えるが、プレートがないので見落とすだろうな。
六甲最高峰に寄る
何度ココに来たことか。昔は最高峰を踏むことができなかった。
このケルンの銘板には六甲最高峰931.13mとあり、その下に
「六甲山最高峰周辺が、軍用地として永年わたり立ち入りが禁止されていましたので、ここがかつては最高峰でした」と書かれています。
山頂付近は、第二次世界大戦中より港湾都市である神戸 - 尼崎を防衛するために日本陸軍の高射砲陣地が設けられた。戦後は米軍の進駐により高射砲陣地は米軍に接収され、そのまま通信基地となった。大型のパラボラアンテナが設置され、1992年に返還されるまで約半世紀に渡り近畿地方唯一の在日米軍施設として民間人の立ち入りができなかった。
ということです。昭和生まれの私にとって六甲最高峰はフェンスの向こうの触れられない場所の印象が強いのです。
今日の最高峰は平和そのもの。ですが、
この建物は自衛隊六甲無人通信中継所で、国土防衛の拠点の一つです。
ここでも六甲ブナの植林が行われています。最高峰の北西部にブナの巨木林が自生しています。六甲山は明治時代には全山禿山だので、明治時代後半から植林が行われた山です。ですので、六甲山で目にする大半の樹木は植林による人工林です。ただ、最高峰周辺に自然林が残っており、ブナは六甲山の原自然を代表する樹木として大切に保護されています。
*神戸の小学生はみな授業で学んでいるはず!
瑞宝寺谷を降りる
ここも初めて通るルートです。地図にない道でどんなところかと不安だったのですが、なんとしっかりと整備されています。虎ロープも階段、ハシゴも新しい。地図では砂防ダムが多い谷筋で巻き道ばかりで面白くないかなとも想像していましたが、ヤマレコに上がっている記録を見ると面白そうです。
これは原自然ですね。緑の頃にまた訪れたいです。
この橋の作り、
この道の砂止めの作り、を見る限りボランティアの仕事ですね。過日の紅葉谷の迂回路の作りとは違います。あちらはどれだけの税金を投入しているのか、こちらは手弁当の道だろうな。頭が下がります。
このダムの作りは古い、間知石の谷積みですね。
この壁面は夏に見にきたい。谷筋はやはり面白い。ワクワクが止まらない。
渡渉個所もあり
これは鋼管堰堤ですね。
真新しいプレートです。
このパイプの下をくぐります。
例の三差路に戻ってきました。さて、次回はどちらに赴こうかな