山ヤ再開

山ヤ再開

還暦を向かえて「そこに山がある」ことに気付く

早春の常念岳東尾根を登る

3/13-15不安定な天候の中、常念岳東尾根に入っていました。雪の常念は約35年ぶり、今回は烈風が吹いていましたが360度の絶景に大満足です。神戸から3/13の夜に出発し、道の駅「アルプス安曇野 ほりがねの里」で仮眠し、3/14は2100mまで上がりBC(幕営地)を設置、翌3/15快晴の標高2,857 mに上り、その足で神戸に帰りました。2日間で標高差2000m以上をピストン、所要時間は19時間弱。老体にはハードでしたが、山の醍醐味を味わった、楽しい山行でした。

アクセスが良くなった北アルプス

アルプスへのアクセスは良くなりました。初めて常念に来たときは、大阪から夜行列車に乗り松本で早朝汽車に乗り換え穂高で下車、そこから歩いた記憶があります。

今は車で5時間で安曇野まで来れます。前夜、集合し道の駅で仮眠。近くにコンビニがあり、トイレは暖房付きで快適です。

道の駅 アルプス安曇野 ほりがねの里 長野県 道の駅公式ホームページ 全国「道の駅」連絡会

残念ながら、営業時間が午後5時までだったので、下山後に寄りたいと思っていたのですが、営業中(8:30~17:00)に寄れませんでした。トイレだけ使って申し訳ありません。

冬季は取付きまでのアクセスが長くなります

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冬季のアクセスは、須砂渡ゲートからの歩きになります。取付き点まで約1時間、アスファルト道です。となると、今回上るルートはどうしても山中1泊が必要です。ところが、ヤマレコを見ていると深夜1時にスタートして、1日でピークハントする強者もいてます。テント装備を歩荷して山中1泊でアクセスするか?脚力を活かして深夜に出発するか?安全を考えると装備を整えて入山したほうが良いように思います。

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熊さんは冬眠中だろうと思っていると

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足跡が

これはお猿さんの足跡(手跡?)でした。

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高瀬川線#63 から東尾根に取付きます。冬季バリエーションとは言え入山者が多いのでトレースは明瞭。

東尾根を幕営地までひたすら上ります

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朝から降雪予報で3/14は終日雪が舞っていました。道はしばらく鉄塔巡視路に沿って歩きます。

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笹が行く手を塞ぐところもあります。

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熊さんの爪痕。あの体で高いところまで木登りができると感心。

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ひたすら尾根筋を歩き標高を稼ぎます。幕営地の標高は約2100m、ゲートは約930m、標高差は1100mほどを6時間30分かけて登りました。

夜はすき焼き

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しんどい思いをしてテント泊をするのは、山仲間とワイワイと宴会をするのも目的の一つです。日頃は別の環境で頑張っているメンバーが集まり、いろいろと”よもやま話”を語ります。そして、食担がいろいろと宴を盛り上げてくれました。メインディナーは芦屋の名店の牛肉を使ったすき焼き。パーティーで山行することの良さの一つは、このテント内で食事をすることに尽きるかな!ソロでは味わえない醍醐味です。

早朝3時に起きて5時にアタック開始

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前日は午後2時から7時までワイワイと騒ぎ、就寝。起床は5時にBCを出発すると決め、逆算で午前3時起きと決めました。冬季は装備を整えるのに時間の余裕を持ちます。

前日は終日降雪でしたが、テントから顔を出すと、月と星が夜空に輝いています。天気予報とは異なり、晴天が期待できるかな?

今回の山行前には、予報が難しく特に日本海上の低気圧の影響がどうなるか?悩みました。晴天は望めなくても雲の切れ間に山頂が望めれば、それで満足と思って入山しています。

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ところが森林限界を超えると目の前に常念の全容が。

大きな山です。あそこまで登るのかと思うと・・・。

左のピークは前常念2662m、常念2857mのピークは右奥にあります。

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前を向いて、ひたすら稜線上を上ります。

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振り向くと、朝焼けの雲海。(安曇野方面)

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朝日が影を長く雪面に落とします。

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ブルースカイに突き上げます。

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雪紋と雲海(松本方面) この景色が見えると見えないとでは、足への注力が異なってきますね。

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横通岳と右奥は燕岳方面。360度の展望が広がっています。

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岩稜帯を過ぎ、振り返ります。気持ちがいいです。

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岩稜帯を過ぎて、前常念への最後の上りを登ります。

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前常念への稜線に出ると、お目当ての穂高の姿が見えてきました。

明神、前穂、吊り尾根、奥穂、涸沢、北穂と全容が、蝶が岳の稜線越しに見えます。

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分かりにくいが鞍部に常念小屋が見えます。奥に表銀座の山々。

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常念の山頂で。


常念岳山頂20200315

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常念岳からの下山のスナップ。気持ちの良い稜線歩きでした。

 

最後に

山行前に中止も止む無しか?と悩んだが、結果、来てよかったとラッキーな山行になりました。たまたま天候にツキがあったと思います。予備日を設定していないので、無理をしないこと。パーティー山行ですのでメンバーの体調、体力を見極めてペース配分すること。少しでもアクシデントがあると対応できるか?と自問しながら歩いていました。メンバー皆が協力すること。日頃からトレーニングをして体調、体力を維持していること、いろんな要素が総合して山行が成立します。今回も良いメンバーと登れて楽しかったです。

そして、無事に下山して山行は完了です。