有馬温泉 泉源めぐり
有馬温泉には泉源がいくつかあり、7つの温泉巡りとして紹介されています。
有馬温泉はかつては西のTOPだった
2019年の温泉ランキングを見ていると有馬温泉は15位だそうです。
地元だけにこの結果は寂しい。
昔の話をして申し訳ないのですが、
1851年に発行された江戸時代の温泉番付「諸国温泉功能」を見ると西の”大関”(一位)は有馬温泉。
明治時代の番付(大日本温泉一覧(20世紀見立改正新版、1908年))も有馬温泉は西のトップ。
なのに、なぜ今は15位なの?
日本最古の温泉として知られる名湯
有馬温泉は日本最古の温泉として知られる名湯です。その歴史は日本書記の記述までさかのぼります。
古から多くの人々に愛されたのは、その効能が世界的にも多くの成分を混合した珍し温泉となっています。
有馬温泉は、環境省の指針により療養泉として指定している9つの主成分(単純性温泉、二酸化炭素泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉、硫酸塩泉、含鉄泉、硫黄泉、酸性泉、放射能泉)のうち、硫黄泉と酸性泉を除く7つもの成分が含まれており、世界的にも珍しい多くの成分が混合した温泉です。
金泉、銀泉として有名な有馬温泉。
金泉は含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉ともいい。鉄分が多いため、温泉が空気に触れると酸化(水酸化鉄になる)し、赤茶色に変色します。タオルをつけると染色します。また、塩分濃度が高く、舐めるとしょっぱいです。効能の詳細は譲るとして、成分が濃いので金泉から上がり湯をせずに出ると、下着が赤茶色になったり、お肌がひりひりしますので注意しましょう。
二酸化炭素泉の銀泉は飲用すると胃液の分泌を刺激するため、食欲増進効果があると言われています。あのてっぽう水、炭酸せんべいの元にもなっています。
有馬サイダー、炭酸せんべいともにその発売は1908年からです。調べると三ツ矢サイダーの販売1884年の方が古いですね。
話しが温泉からサイダーにそれていました。
温泉のお湯はどこから来ているのか?泉源の場所に戻します。
有馬温泉には泉源がいくつかあります。7つの温泉巡りとして紹介されています。
泉源はどこにあるのか?
有馬温泉の泉源を効率良く巡るためには、有馬温泉観光総合案内所にてウォーキングマップを入手すると便利です。「泉源コース(1450m)高低差60m 消費エネルギー75kcal」として紹介されています。
調べると向陽閣さんのサイトにあるMAPのほうが分かりやすくまとまっています。
温泉街を探索しながら一周できますので、泉源巡りをすると有馬温泉の魅力に触れることができると思います。
太閤泉
金の湯の場所に湧く銀泉源の飲泉場です。
昭和41年に枯渇で一旦廃止されることとなりましたが、1995年阪神大震災後に再び湧出しました。
平成14年に金の湯入り口の横に瓢箪型の「太閤の飲泉場」を設置し、現在は気軽に温泉の味が味わえると多くの観光客に人気です。
【銀泉源】
泉質:ナトリウム塩化物高温泉
温度:42.3℃ < 適温 (銀泉)
御所泉源
古い町並みから寺町界隈に向かう細い路地裏にあります。
1951年に掘削され、1966年に増削された。「御所の坊」や隣接する「花小宿」に湯を送っています。
泉質は含鉄強食塩泉、塩分濃度が日本一の温泉として有名です。神経痛・リウマチ・胃腸病などに効能がある。まわりは庭園に整備されています。
【御所泉源】
泉質:含鉄ナトリウム、塩化物強塩高温泉
温度:83.5℃ <高温です (金泉)
極楽泉源
極楽寺の裏手に極楽泉源があります。
説明板によると、太閤秀吉が造らせた湯殿へ金泉を送っていたといわれる泉源で、
かつて、太閤秀吉が有馬に訪れた際に、戯れに「ここに温泉が湧き出たら、異国までもが我が手に入る前兆ならん」と杖を持って地面を突き、そこから温泉が出たという逸話も残っています。そのことから別名「願いの湯」とも呼ばれています。
【極楽泉源】
泉質:含鉄ナトリウム 塩化物強塩高温泉
温度:94.3℃ <高温です (金泉)
炭酸泉源
鐘つき堂のような建物の下にある、丸い石の中に炭酸水がわずかに湧いています。地元の人に伺うと大半は「銀の湯」にいっているそうです。昔はこの場所で砂糖を入れたサイダーとして販売されていたそうです。炭酸水を飲んでみたい方は、左手にある蛇口を利用してみてください。鉄臭がする炭酸が飲めます。
【炭酸泉源】
泉質:単純二酸化炭素泉
温度:18.6℃ <冷泉だな (銀泉)
妬(うわなり)泉源
妬は「うわなり」と読むそうです。”ねたみ”、”しっと”と文字を入れて変換すると”妬み”、”嫉妬”と妬(うわなり)が出てきます。調べると
一夫多妻制の時代に、最初の妻に対してあとにめとった妻。のちに、再婚した妻をもいう。 対 前妻(こなみ)
とか
と出てくる難しい字です。泉源の説明には
美しく化粧をした女性がそばに立つと、お湯が嫉妬して噴き出したという事から妬湯と名付けられた
とあります。この泉源は間欠泉です。お湯が沸きだしたり、静まっていたり。もしかしたら、妬の字通り訪れる人を見て嫉妬しているのかもしれません。
昔は側の小さな井戸から温泉が湧いていました。しかしこの湯が枯れたため、裏手に掘ったそうです。
これが昔の泉源の跡。
【妬泉源】
泉質:含鉄ナトリウム、塩化物強塩高温泉 (金泉)
温度:93.8℃ <高温です
天神泉源
天神泉源は有馬天神社の境内の中にあります。
泉源は地下185mからくみ上げられ、98℃のお湯が湯けむりを立ち上げています。手を湯気にかざすとショッパイです。
【天神泉源】
泉質:含鉄ナトリウム、塩化物強塩高温泉
温度:98.2℃ <かなりの高温です (金泉)
有明泉源
天神泉源を少し戻り、左手に曲がると高い櫓と煙突が見えます。
日帰り温泉施設「康貴」の裏手にあります。
【有明泉源】
泉質:含鉄ナトリウム、塩化物強塩高温泉
温度:90.1℃ <高温です (金泉)
有明泉源から源泉を引いている「康貴」(こうき)の湯はお勧めです。
泉源の湯気で腐食が進む窓
古泉閣泉源(番外)
神鉄有馬温泉駅を下車して、上に上がると太閤橋の近くに木製の櫓が見える。櫓には古泉閣泉源と書かれている。これは先に紹介した泉源はお湯を幾つかの旅館などで共同利用しているものがほとんどだったが、この泉源は名前の通り古泉閣専用の泉源になっている。これを自家泉源といいます。今は、ほとんど湯が出ていないようだった。一番良い場所にPR看板があがっているよいうなものです。さすが老舗旅館です。
その他
地獄谷と言われた場所の、3つの穴から温泉が湧き炭酸ガスが発生していました。これに近づいた鳥や虫が死んだため、いつしか土地の人々は鳥地獄、虫地獄、炭酸地獄と呼んだそうです。
気軽に日帰り入浴から
泉源巡りをした後は、やはり湯に浸かりたいです。日帰り入浴が楽しめるプランが沢山あります!「金の湯」だけではありません。
以下のサイトを見ると
- 公共の日帰り温泉
- 日帰り入浴のご案内
- 日帰り入浴とお食事のご案内
- お昼のお部屋休憩一覧
がまとめられています。有馬温泉観光協会公式サイト
是非、有馬温泉にお越しください。